葬儀の基礎知識
【堺市の方向け】ご逝去後からお通夜までの流れをわかりやすくご説明いたします
- 葬儀の基礎知識
ご逝去から通夜まで、あっという間に時間が経っていきます。慌てて「アレを忘れてた!」なんてことがあるかもしれません。今回は、少しでも今後の参考になりますように何をすべきか、どんなことにチェックが必要かわかりやすく解説していこうと思います。もしもの時だからこそスムーズに乗り切りましょう。
Table of Contents
ご逝去後すぐにすべきこと
ご逝去
法的な死亡の確認は、医師の診断によってなされます。
医師から「危篤」と診断を受けたとき、ご親族の方などに連絡をします。死亡の診断をお受けになられましたらすぐに、ご家族ご親戚などへ連絡をします。※お伝えする内容はメモ書きにしておいた方が良いでしょう。
「死亡診断書」の受け取り
医師から「死亡診断書」を受け取ります(不慮の事故などの時には、「死体検案書」を受け取ります)。市町村役所へ「死亡届」を提出する際、「死亡診断書(死体検案書)」の添付が必要です。また、「死亡届」の手続き終了後、「火葬(埋葬)許可証」を受け取ることになります。
病院への支払い
病院への支払いは、亡くなられた日か、その翌日に済ませることが多いようです。
末期(まつご)の水
新しい筆の穂先や、ガーゼ、割り箸の先に白糸で巻き付けた脱脂綿などに、茶碗の水を浸し、故人の唇を湿らせます。故人のご家族、ご親戚、親しい友人の順に「末期の水」をとります。
お清め=湯灌(ゆかん)=清拭(せいしき)
ご遺体のお清めをします。これを「湯灌」、「清拭」と言います。ご遺体の全身をアルコールやお湯で丁寧に拭き清めます。また耳・鼻・肛門などに綿を詰めます。
着替え
「着替え」とは、ご遺体を「死化粧」、「死装束」にすることです。白装束に着替えさせ、髪を整え、爪も切り、男性は髭をそり、女性は薄化粧をします。なお着替えの際、故人が生前好んでおられた衣服を着せることもあります。
逆さごと
ご逝去後の儀礼には、日常の作法・慣習を逆さにしているものが多くあります。それらを「逆さごと」と呼びます。逆さごとには着替えを「左前」に着せること、湯灌の作法で水にお湯を入れて湯温調整する「逆さ水」などがあります。「逆さ屏風」は、安置したご遺体の枕元に、屏風を逆さまに立てる作法です。
ご安置までの流れ
喪主の決定
喪主を決めます。妻(夫)や長男など、故人との縁が最も深い方が喪主となることが多いようです。また、お通夜・葬儀式・告別式をどのように執り行うのかを決めます。(宗旨宗派の確認、お葬式全般の依頼先、おおよそのスケジュールなどを決めます)
忌中札
ご自宅の表には、「忌中札(紙)」を掲げます。ご自宅以外でお通夜・ご葬儀を行う場合、ご遺体をお棺に移す「納棺の儀」の後、式場へとご遺体をお送りすることが多いようです。この場合も、ご自宅では「神棚封じ」をし、表に「忌中札(紙)」を掲げます。※近年では、忌中札(紙)を略することもあるようです。
神棚封じ
ご遺体をご自宅にお迎えするまでに、神棚に白い紙を貼る「神棚封じ」(=神棚隠し)をします。また、派手な絵や額・置物を片付けます。なおご自宅でお通夜をする場合、祭壇を設ける部屋を決めます。弔問客をお迎えできるように玄関、各室内も整理します。
早急に連絡をお取りすべき場所
●町内会代表者
- 死亡の事実と、お通夜の日時・会場を連絡します
●親戚縁者、故人と親しい方
- 死亡の事実と、お通夜の日時・会場を連絡します。(特に、お通夜前に来ていただきたい方には、早めに連絡します)
●葬儀社などへ連絡
- 依頼概要を決定します
●宗教者への連絡
- 死亡の事実と、お通夜の日時・会場を連絡します。
※葬儀式・告別式の日時・会場が決まっている場合は、同時に連絡します。
ご安置
ご自宅にお迎えしたご遺体は、「北枕」(または「西枕」)にして安置し、顔を白い布で覆います。ご遺体のそばに白木の台、または白布をかけた小机を置き、線香、ろうそく、花などを供えて「枕飾り」とします。地域・宗旨宗派により、屏風を逆さまにして立て(逆さ屏風)、魔除けの「守り刀」を置くこともあるようです。
通夜にむけて
お世話役代表の決定
お通夜、ご葬儀の進行を円滑に行うため、早めにお世話役代表を決めましょう。ご遺族は、世話役代表を含め、多くの方にご助力をお願いすることになります。
戒名・法名・法号
故人が生前に、戒名・法名・法号をいただいていない場合は、僧侶に相談して決めていただきます。一般的には、枕経から納棺までの間に、僧侶が戒名・法名・法号を決めます。
枕経
仏式では「枕飾り」の後、僧侶にお願いし、ご遺体の枕元でお経をあげていただきます。
納棺
「納棺」は「死装束」、「死化粧」を済ませたご遺体を、家族全員で静かにお棺へと移すことです。ご遺体の周りに、故人の愛用品や鉱物などを添えます。(燃えないもの、例えば金属・宝石類などは入れません)
お通夜・ご葬儀・告別式のスケジュール決定
1.お通夜・葬儀式の日時・会場
- 依頼した葬儀社と連絡を取り、お通夜での祭壇の設置場所・設営時間などを決定します。(お葬式全体の規模・予算・段取りなども決めていきます)
2.寺院との連絡
- 仏式では、お通夜・葬儀式でお経をあげて頂きます。
3.火葬場との連絡
- 火葬場の休みの日などに注意し予約を入れます。
お通夜の前に最終チェック項目
- 1.ご親戚・ご友人・関係先・町内会へのご連絡
- 2.「死亡届」と「火葬(埋葬)許可証」の申請と受理
- 3.新聞の訃報記事への対応
- 4.遺影写真のご用意(正面を向き、生前の面影が偲ばれる写真)
- 5.喪服、数珠などのご用意
- 6.ご寺院(神社・教会)の方と、来ていただける時間・人数・送迎が必要かどうかなどを確認
- 7.世話役代表とのご相談、ならびに各種役員へのお願いと確認(お寺様係・受付係・案内係・会計係・携帯品預かり係・接待係・調理係・車両誘導係など)
- 8.生花・花環・供物などの準備
- 9.通夜振る舞いの準備(通夜振る舞いとは、お通夜後の会食のことです)
- 10.遠方より来られる人の、宿泊先などの手配
通夜の日について
弔問の受付
受付係は、弔問に訪れた方に芳名帳へのご記帳をお願いします。その後、祭壇が設置してある部屋へとご案内します。喪主・親族は、弔問に訪れた方にお礼を述べます。
通夜の式次第
1.ご遺族・参列者の着席
2.僧侶の入場
3.読経
4.僧侶のご焼香
5.喪主、故人と近しい親族の順番でご焼香
6.参列者のご焼香
7.ご焼香が一巡りした後、喪主または親族代表のお礼の挨拶
8.通夜振る舞いへのご案内
9.「お開きの挨拶」(参列者がお引き取りになる少し前に、喪主又は世話役代表は簡単なお礼を述べます)
10.お手伝いいただいている方への感謝の礼を伝えます。
※これらは仏式の一例です。地域、宗旨宗派により順序・内容が異なることがあります。
僧侶への心遣い
僧侶が通夜振る舞いの席に出られない場合には、食物の折り詰めとお茶菓子の包みをお渡しします。なお僧侶への心遣いは、葬儀社の方などに相談し、極力早めにご対応するのが良いようです。
神式の場合(概略)
神式ではご逝去後末期の水をとり、お清め、死化粧、死装束を施します。ご自宅では神棚封じをし、表には喪中札を掲げます。ご遺体を北枕に安置して、顔を白布で覆います。「納棺の儀」「柩前日供(キュウゼンニック)の儀」が続きます。神式の「通夜祭」式次第は、手水(チョウスイ)の儀/斎主着席・喪主着席/献饌(ケンセン)/祭詞奏上/玉串奉奠(ホウテン)/斎主拝礼/一同退場、となります。次に「還霊祭(センレイサイ)」を執り行います。「還霊祭」までの儀式は、霊魂が再び帰り来て蘇生することを祈り、「還霊祭」で故人の魂を「霊璽(レイジ)」(仏教の位牌にあたる)に遷し鎮めます。式次第では、還霊祭詞奏上が最も重要です。
キリスト教の場合
カトリックでは、ご逝去の前に神父が「塗油の秘蹟」(=塗油式)を行います。この儀式は、罪の許しと祝福への願いに関わります。ご逝去後、胸の上に手を組み、そこの十字架とロザリオを置きます。その後、「納棺式」、「前夜祭」などを行います。お通夜にあたる儀式は、聖歌/聖書朗読と説教/お祈り/焼香・献花/祈願/(出棺)/聖書朗読、となります。
プロテスタントでは、ご逝去の前に牧師がパンと葡萄酒を信者に与える「聖餐式(セイサンシキ)」を行います。この儀式は、キリスト者であることの厳粛な祝福と関わります。ご逝去後、ご遺体の上に聖書を置きます。その後「納棺式」「前夜祭」などを行います。お通夜にあたる儀式は、賛美歌/祈祷/聖書朗読/奨励/お祈り/主の祈り/祝福となります。
※お通夜・ご葬儀の儀礼は、地域・宗派・宗旨宗派などにより異なります。詳しくはお問い合わせください。
ご逝去後のことで不安な時は
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